宇和島水産高校干潟調査実習

科学教育・地域教育

今日は宇和島水産高校の干潟調査実習がありました。本実習は水産増殖科の総合実習の一つとして行なっているもので2年生が対象です。私はこの実習の講師を3年前からやらせてもらっています。干潟に繰り出す前に学校で1時間ほど干潟の環境と生物について簡単にレクチャーしました。

現地での実習は宇和島市三浦地区の安米(あこめ)という場所で行なっています。三浦地区では地域の漁業者などが「三崎アサリ研究会」というのをつくっており、アサリ資源の保護育成に向けた活動に取り組んでいます。宇和島水産高校もこの研究会のメンバーで生徒たちはこの活動の重要な部分を担っています。

したがって今回の実習は干潟域の環境や生物多様性、海産無脊椎動物の同定について単に学ぶというだけでなく、三崎地区の海辺の環境やアサリの生息地の生物相や生物群集構造を把握するための基礎調査も兼ねています。

この2年生は実際に干潟で生物を採集するのは初めてだということでしたが、さすが水産高校の生徒さんだけあってたくさんの生物が集まりました。今年から採集された生物全種を学校に持ち帰り、詳しい同定作業と標本作製を行うことにしました。

アサリもいました!

何のたぐいかもわからない初めて目にする生き物や、似てるけど違う、違うようで似ている生き物たちを前にみんな頭を悩ませていました。海辺の生き物の多様さや海洋生物の種を同定することの大変さをわかってもらえたかなと思います。これまでの調査で生物の写真や標本がだんだん集まってきたので、これから出現種のリストをまとめるとともに写真に解説を加えてフィールド図鑑のような資料をつくってきたいと思います。生徒の皆さん、丸一日の作業お疲れ様です。放課後居残りで作業を手伝ってくれた水産研究部のみなさん、ありがとうございました。(文責:中地シュウ)

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