おおつき昆虫記 カブトムシ

地域の自然史

カブトムシは言わずと知れた夏の虫の代表選手。クワガタムシと並んで昆虫少年に大変人気があります。森や林の多いおおつきにはカブトムシがたくさんいます。

コガネムシ科の大型の甲虫であるカブトムシは北海道から沖縄まで日本全国に分布しています。北海道のものは本州産のものが人為的に移入されたものだと考えられており、近年、ますます分布を広げているようです。

オスのカブトムシの体は光沢のある黒褐色~赤褐色で、頭部には先端が4つに分かれた立派な角があります。また胸部にも先が2つに分かれた小さな角があります。メスの体の色は光沢のない茶褐色で全体に細かい毛が生えています。メスには角がありません。

本種は里山の雑木林に多く、夜行性でクヌギ、コナラなどの樹液に集まります。オスはたいへん好戦的で他のオスやクワガタムシなど他の昆虫と樹液を巡ってよくケンカをします。カブトムシの脚に大きな鍵爪があり、樹木の幹にしっかりとしがみついて容易には離れません。また、ケンカの際には大きな角を相手の体の下に潜り込ませて投げ飛ばすという大技を持っています。

灯火にも飛んできますが、光に集まるのは断然メスのほうが多いです。やはりオスのカブトムシを捕まえるのなら夜の樹液採集がいいと思います。また、腐った果物などにも集まるので果樹園のゴミ捨場にも多く見られます。

幼虫は土の中で育つので、朽木のまわりなどを掘るとたくさん見つかることがあります。古くなって打ち捨てられたシイタケのホダ木や農家の人が作っている堆肥の中にもいるので探してみるといいでしょう。

カブトムシのオス(大月町周防形)
カブトムシのオス(大月町周防形)
赤味の強い体色のオス(大月町清王)
交尾中のオスとメス(大月町周防形)
孵化直前の卵(飼育個体)
孵化直後の幼虫(飼育個体)

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