おおつきのカニ サワガニ

地域の自然史

サワガニ(サワガニ科)は本州、四国、九州に分布する日本固有種です。「さるかに合戦」にも登場している、古来より日本人にとって親しみ深いカニで す。

サワガニは淡水性できれいな水が流れる谷川に生息しています。昼間は川の中の石の下などにかくれていますが、夜になるとはい出して歩きまわります。雨降りのときは昼間でも活動するので、川沿いの山道や田んぼの周りなどで姿をよく目にします。ぬれた草や苔の緑のなかで赤い色の体はとても目立ちます。

サワガニの繁殖期は夏です。交尾を終えたメスは直径3ミリほどの大きな卵を数十個産み、それを子ガニになるまでおなかに抱えて育てます。サワガニ以外にもアカテガニやモクズガニなどといった淡水性のカニがいますが、これらの幼生は海で育つため、川と海を行き来して暮らしています。海をまったく知らずに一生を陸で暮らすカニは日本ではサワガニの仲間だけです。

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