おおつきのカニ ベンケイガニ

地域の自然史

ベンケイガニ(ベンケイガニ科)は河口付近の汽水域に近い草むらや河川敷などで見かける赤い色をしたカニです。甲は四角く、脚には硬くて長い毛が生えています。

川の周辺にはほかにアカテガニという赤いカニがいて見分けがつきにくいですが、ベンケイガニは甲の背面の凹凸が強く、ふちに切れ込みがあることで見分けられます。

本来、川岸にある土手などに巣穴を掘って暮らすカニですが、護岸された川では石組みの隙間や水際の石の下の隙間などに身を隠していることも多いです。

春から初夏にかけて交尾を終えたメスはお腹に卵を抱えて、海岸に移動し、7~8月の大潮の時期に幼生を放出します。移動中のメスは道路を横断することも多く、車にたくさん轢かれていることがあります。

なお「弁慶蟹」という名前は甲のゴツゴツしたいところがいかつい形相をした武蔵坊弁慶を思わせることからついたそうですが、「いかつさ」でいうとクロベンケイガニのほうが「弁慶」の名にふさわしい気がします。

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