宇佐土曜市で売っていた謎ガニの正体

地域の自然史

先日の横波半島巡検のとき、宇佐の漁港でやっている宇佐土曜市に寄りました。茹でたワタリガニが売られていたので見ていたら、一パックだけ違うカニがありました。値札には「イワカニ」と書かれており2匹で750円。イシガニの仲間であることはわかりましたが種まではみただけではわかりませんでした。詳しく調べてみたくなったので家族へのお土産を兼ねて買って帰りました。

翌日、電子レンジで温めなおしたカニを食べながら、図鑑や文献でいろいろ調べたところ、ツブワタリイシガニ Charybdis (Charybdis) granulata De Haan, 1833 に落ち着きました。宇佐周辺でよく獲れるものなのか聞きそびれましたが、近くの浦戸湾のワタリガニ類についてまとめた細木・町田(2004)の「高知県浦戸湾で得られたワタリガニ科のカニ類 (十脚目 : 短尾下目)」という報告には本種は載っていませんでした。もしかしたら珍しい種なのかもしれません。機会があったら論文の著者の方に聞いてみたいと思います。

それから肝心の味の方ですが、なかなかのものでした。普通のガザミより味が濃いように感じました。一緒に売っていたガザミも買って食べ比べてみたら面白かったかも知れません。中身を空にした甲羅と片方の鋏脚(これは食べるのを我慢しました)を標本にしました。

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