おおつきのカニ ハクセンシオマネキ

地域の自然史

ハクセンシオマネキ(スナガニ科)は干潟に住むカニ、シオマネキの仲間です。オスは白い扇に例えられる大きな白いハサミを持ち、それを振って縄張りをアピールしたり、メスに求愛したりします。

宿毛湾周辺地域にある干潟にはハクセンシオマネキとシオマネキの2種類のシオマネキが生息しています。シオマネキは泥が溜まった場所に巣穴を掘りますが、ハクセンシオマネキはもう少し砂混じりのところにいます。海岸域の開発により宿毛湾の干潟は昔よりもかなり減っており、シオマネキの仲間はごく限られた場所でしか出会えない希少なカニになっています。

おおつきには大きな川がないのでそもそも広い干潟ができるような場所がありません。そのため、町内にはシオマネキの仲間はいないだろうと思っていました。あるとき、頭集川の河口で汽水性の巻貝を調べていたら、畳一畳ほどの砂泥が溜まった場所にハクセンシオマネキがいるのを見つけました。こんな小さな「干潟」にもハクセンシオマネキがいることにとても驚き、そして嬉しくなりました。もう5・6年も前のことなので、今でもいるかどうかはわかりません。今度、見に行って見たいと思います。 (このページのハクセンシオマネキの写真は愛媛県愛南町で撮影したものです)

ハクセンシオマネキのオス(愛南町御荘湾)
ハクセンシオマネキのメス(愛南町御荘湾)
ダンスをするオス(愛南町御荘湾)
ダンスをするオス(愛南町御荘湾)
交接

追記
2019年9月1日に大潮の干潮に合わせて頭集川河口の干潟域で調査を行ったところ、ハクセンシオマネキ8個体を確認しました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました